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今宵、フィッツジェラルド劇場で [アメリカ映画(00s)]

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A Prairie Home Companion (2006)

今回は、「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」などで知られるロバート・アルトマン監督の遺作であり、数々の映画賞を受賞した隠れた名作を紹介します。

「プレーリー・ホーム・コンパニオン」というラジオ番組を知っていますか?
1971年に始まったバラエティ番組で、アメリカ全土で毎週土曜日の夕方5時から7時まで放送されています。司会はギャリソン・キーラーが務めていて、ミネソタ州のフィッツジェラルド劇場で収録されています。この番組の特徴は音楽で、毎回カントリーやロック歌手が登場し笑い話を含めながら歌を披露していきます。日本でもAFNで日曜日の夕方聞くことができます。日本に住むアメリカ人にとってもどこか懐かしく母国を思い出す番組となっているようです。

30年以上も同じフォーマットで続いていて、今でもアメリカ中で聞かれているこの番組。日本でいうと、タモリ司会、新宿アルタで収録されている長寿番組「笑っていいとも!」に似たラジオ・バラエティ・ショーだと思います。

この人気長寿番組「プレーリー・ホーム・コンパニオン」が映画になったのです。番組のホストであるギャリソン・キーラーが書いた脚本は、実際にある自分の番組がモチーフで、そこで繰り広げられる映画の話です。
映画では、30年以上続いた番組が終了してしまう最後の1日を描いています。長く続いてきた番組のファンにいつも通りのショーを提供しようとがんばる出演者とスタッフの姿を追いかけていきますが、番組同様、歌あり笑いありの楽しくも切ないストーリーです。

映画の出演者も豪華です。メリル・ストリープやリンジー・ローハン、ウディ・ハレルソン、トミー・リー・ジョーンズが脇を固めながら、番組ホストギャリソン・キーラー役やおおくの歌手は、本人自身が出演し演じています。

映画はもともと「Savage Love」というタイトルでした。80才になるロバート・アルトマンがこの映画を完成することができるのか不安視されたので、結局撮影には「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン監督が「バックアップ」監督として全ての撮影においてアルトマンを助ける役目で参加しました。
映画は2005年の夏に完成し、11月1日にニューヨークでこっそり上映されました。するとお客さんの反応がとても良かったので、ピクチャーハウスという配給会社が映画を買い取り全米での上映が決まりました。
このとき、ピクチャーハウスの社長であるボブ・バーニーは、タイトルを30年以上全米で親しまれている「A Prairie Home Companion」に変更しました。このタイトル変更に関しては、いろいろと戦いがあったのですが、結果、おおくの人に映画を認知して貰うことができ、ヒットすることになります。

日本では、番組自体の認知度が低いのでタイトルは「今宵、フィッツジェラルド劇場で」と変更され、小さな公開で終了してしまいました。

監督ロバート・アルトマンは、2005年無冠の名監督でしたがアカデミー賞から栄誉賞を受賞しました。受賞直後に本作を監督し、映画がヒットした後2006年11月20日に亡くなりました。


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今宵、フィッツジェラルド劇場で

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ふじくろ

観てみたいです。劇場は終わってしまったそうなので、DVDで...
by ふじくろ (2008-08-30 16:21) 

DSilberling

ふじくろさん、こんにちは。
この映画、期待していなかったのですがとても良い作品でした。
アクションでもラブストーリーでもありませんが、心に残る映画です。
by DSilberling (2008-08-30 16:25) 

依光次郎

nice!ありがとうございました。

マルトマン監督といえば、団塊世代にはM★A★S★Hのイメージ(女房殿がドナルド・サザーランドの大ファンだし・・・)。

あちらでも日本でも惜しい監督さんがあの世に行かれています。団塊世代も、もうすぐこちらだよ、待ってるよとか。(^^; 服用中のクスリがウイルス・細菌への抵抗力を落とすので人混みを避けています(ポニョもいけなかった・・・)。見たいなあ。

参考までにm(_ _)m プレタポルテです
http://hatajin.blog.so-net.ne.jp/2008-07-16

by 依光次郎 (2008-08-30 17:40) 

たいちさん

このラジオ番組については、以前紹介として聞いた記憶があります。機会あれば、観たいですね。
by たいちさん (2008-08-30 18:00) 

かおり

脇の俳優陣が豪華ですねー!
このラジオ番組も、この作品のことも知りませんでしたが
記事を拝見して、観てみたくなりました♪

洋画の日本語タイトルについては批判的意見は昔から多いですが
(場合によっては私もそう思うことがあります)
こうしてお話をうかがうとやっぱりタイトルって大事なのだ
ということが理解できますねー
観てもらわなくちゃ始まりませんものね^^

by かおり (2008-08-30 21:19) 

coco030705

こんばんは。ご無沙汰しております。
この映画、本当にいい映画でしたね。好きな作品のひとつです。
メリル・ストリープの歌のうまさにびっくりしました。何でもできる女優さんなんですね。すばらしいです。
TBさせていただきますので、よかったらお読みくださいませ。
by coco030705 (2008-08-30 21:48) 

mirai

これは見てみたいです。
日本でも、ラジオの時間という映画がありましたが。

by mirai (2008-08-30 23:56) 

non_0101

こんばんは。
生放送のラジオ番組の手作り的な雰囲気が楽しかったです。
司会のトークの上手さは聴き応えがありました~!
あとメリル・ストリープの歌の上手さにも驚きました。
(『マンマ・ミーア!』の公開も楽しみです☆)
アメリカではこういうラジオ番組が人気なのですね。
遺作がこんなに優しくてしみじみとした作品になったのも、
きっと監督さんにも思い入れのある番組だったからかも知れませんね。
by non_0101 (2008-08-31 00:33) 

u_yasu

この映画、ロバート・アルトマン監督の遺作なんで観たい!と思ってたのに、すっかり忘れてました・・・。
今度観てみます!!!
by u_yasu (2008-08-31 00:43) 

Naka

こんばんは。
アルトマン監督作品、まだあまり観ていませんが、
「ゴスフォード・パーク」「クッキー・フォーチュン」など
大好きです。
この作品はDVDで観ましたが、人生の深い味わいがあって、
心に残っています。


by Naka (2008-08-31 00:46) 

丹下段平

この作品は昨年観た映画の中でも特に印象に残る素晴らしい映画でした。
TBさせていただきました。
by 丹下段平 (2008-08-31 02:17) 

てくてく

この作品、観ました~。
出演されている俳優さんたちの歌も非常に上手くて、
才能だな~、と感心しました。
古き良き時代を大切に思える、
どこか懐かしい雰囲気のする作品でした^^
by てくてく (2008-08-31 08:07) 

SAKANAKANE

日本では隠れた名画って、イッパイ有るんですね。
by SAKANAKANE (2008-08-31 12:04) 

nomame

nice!ありがとうございました。
この作品、まったく知りませんでしたのでDVDで観てみようと思います。
by nomame (2008-08-31 14:28) 

Kimball

ご紹介ありがとうございました!!\(^o^)/

by Kimball (2008-08-31 19:53) 

Betty

この映画はDVDで観たい1本です☆

by Betty (2008-09-01 12:15) 

miku

見てみたくなりました!
DVD探してみます
by miku (2008-09-04 01:13) 

DSilberling

依光次郎さん、こんにちは。
名監督がいなくなるのはとても寂しいですね。
by DSilberling (2008-09-05 08:56) 

DSilberling

たいちさん、こんにちは。
決して派手ではありませんが、こういう映画も存在意義がありますね。

by DSilberling (2008-09-05 08:57) 

DSilberling

かおりさん、こんにちは。
映画のタイトルはとても重要です。
脚本家や監督の思いこみ、そして作品をパッケージとして売るプロデューサー、この2者の対立で映画の収入が変わるのです。
名作だからヒットするわけではないんですね。
by DSilberling (2008-09-05 08:59) 

DSilberling

cocoさん、こんにちは。
久しぶりに名作に出会えました。こういう作品がもっと作られると良いですね。
by DSilberling (2008-09-05 09:00) 

DSilberling

miraiさん、こんにちは。
「ラヂオの時間」は、オリジナルの番組がない映画でした。
この映画は、本物の番組を聞いてから見ると、とても面白いですよ。
by DSilberling (2008-09-05 09:01) 

DSilberling

non_0101さん、こんにちは。
アメリカは広く、様々な人種が住んでいます。この番組は、保守層に支持されているんです。だから田舎に住む年齢の高い方がおおいのでしょう。ゆっくりとした語り、カントリーミュージックなど日本人でも懐かしいと思う構成ですね。こういう番組が長生きしているということも羨ましいです。
by DSilberling (2008-09-05 09:04) 

DSilberling

u_yasuさん、こんにちは。
遺作です。是非見てください。
by DSilberling (2008-09-05 09:05) 

DSilberling

Nakaさん、こんにちは。
遺作にもかかわらず、力のある映画です。是非ご覧ください。
by DSilberling (2008-09-05 09:06) 

DSilberling

丹下段平さん、こんにちは。
TBありがとうございます。


by DSilberling (2008-09-05 09:06) 

DSilberling

てくてくさん、こんにちは。
スタッフ、キャストが繊細な仕事をして完成させた映画でした。
もうこのような映画が見られないのは残念ですね。
by DSilberling (2008-09-05 09:08) 

DSilberling

SAKANAKANEさん、nomameさん、Kimballさん、こんにちは。
今後も隠れた名作を紹介していきます。
お楽しみに!
by DSilberling (2008-09-05 09:09) 

DSilberling

Bettyさん、こんにちは。
是非みてください。
by DSilberling (2008-09-05 09:10) 

DSilberling

mikuさん、こんにちは。
DVDレンタルも出来ますので是非ご覧ください。
by DSilberling (2008-09-05 09:11) 

さんた

こんにちは!

これはまた、素晴らしい作品の紹介を
どうもありがとうございます。

そして、この作品を見ているだけでは得られない
バックボーンを、興味深く読ませていただきました。
面白いお話を、どうもありがとうございます。

レンタルを探して、拝見させていただきます。
by さんた (2008-09-06 14:05) 

DSilberling

さんたさん、コメントありがとうございます。
これからも他では語られない映画の面白い見方紹介していきます。
by DSilberling (2008-09-14 22:41) 

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