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ジョージ・ルーカス 2/3 [スタッフ&キャスト]

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「スターウォーズ・サーガ」(「スターウォーズ 新たなる希望」「スターウォーズ 帝国の逆襲」「スターウォーズ ジェダイの復讐」「スターウォーズ ファントム・メナース」「スターウォーズ クローンの攻撃」「スターウォーズ シスの復讐」)、インディー・ジョーンズ・シリーズ」(「レイダース」「魔宮の伝説」「最後の聖戦」)生みの親、ジョージ・ルーカスの第2回目です。

大学院生だったルーカスは、映画祭で賞を受賞したことをきっかけに、当時人気の出てきたフランシス・フォード・コッポラ監督と親交を深めまていきす。コッポラは、映画制作にスタジオの人々が口を挟むというハリウッドシステムが嫌いだったので、サンフランシスコに自身で映画制作会社アメリカン・ゾエトロープという会社を興しました。その会社の第1作目の映画を、ルーカスに撮らせることにしたのです。コッポラは、ルーカスが自主制作で作った「THX-1138 : 4EB」を気に入っていたので、この作品をメジャー公開できるようリメイク版の監督を指示したのです。長編版の「THX-1138」は、ルーカスの監督デビュー作としてワーナーブラザース配給で公開されました。しかし、残念ながら興行的に大失敗します。当時、先進的なSF映画は一般の観客に受け入れられませんでした。

コッポラが「ゴッドファーザー」(1972)の監督として、全精力をこの映画製作に向けていったため、ルーカスはコッポラの下を離れ、自分で映画制作会社をサンフランシスコで設立します。ルーカスフィルムと名付けられたその会社でルーカスは1本の脚本を書き始めます。ルーカスがモデストで過ごした高校生時代をベースにした「アメリカン・グラフィティ」です。アメリカ人のおおくは、自分の生まれた街で一生を過ごします。それが嫌な若者が懸命に街を飛び出そうか、留まろうかと悩む姿はまさに若きジョージ・ルーカスの姿です。そして、脚本には、重要な要素が含まれていました。街では若者たちは車に熱中していました。そしてルーカスが聞いて育った音楽を盛り込んでいたのです。これも彼の学生時代の体験です。
「アメリカン・グラフィティ」は無名俳優ばかりを起用して、ユニバーサル・ピクチャーズにより低予算で制作が決まりました。ルーカスは、自ら当時の伝説的DJウルフマン・ジャックに出演交渉を、行い快諾されます。60年代の懐かしい音楽とともに完成した、誰もヒットを期待していなかったこの映画は、予想に反し全米で大ヒットしてしまいます。そして1973年のゴールデングローブ賞とアカデミー賞にノミネートされてしまいました。

映画監督として認められたルーカスは、いよいよ念願の映画を制作すべく準備に入ります。それは、子供の頃熱狂した漫画「フラッシュゴードン」の完全実写化でした。しかし、この作業は困難を極めます。残念ながら「フラッシュゴードン」の映像化権は既に押さえられ、ルーカスはこの権利を取得できませんでした。ルーカスは、仕方なく自分で「フラッシュゴードン」のようなスペースオペラを作り上げようとストーリーを考えることにしました。後に「スターウォーズ」と呼ばれるこのスペースオペラは「フラッシュゴードン」のほか、「猿の惑星」や黒沢明の「隠し砦の三悪人」から影響を受けています。

恩師コッポラは、ルーカスが成長する姿を見ていました。そして、自分の会社が傾くとルーカスに近づいてきました。そして、ルーカスと一緒に新作を手がけるべく動き出したのです。勿論世話になったコッポラを裏切るようなことはできません。しかし、当時のコッポラは制作費を使いすぎ、映画の現場は大混乱することが当たり前となっており、映画業界からは要注意人物となっていました。コッポラは、弟子のルーカスが描いていた新企画に興味を示しますが、ルーカスはコッポラに助けを求めませんでした。そして、もうひとつ大切に暖めてきた企画をコッポラに取られてしまいます。おろらく、当時のルーカスは、2つあった企画にコッポラが介入することを避けるため、ひとつをコッポラに渡してしまうという判断をしたのだと思います。
コッポラに渡した企画は、後に「地獄の黙示録」として完成します。この映画が完成するまでには、とんでもないエピソードが沢山存在します。現場にいる誰もが、映画は完成しないと思い、撮影は困難を極めたのです。しかし、不思議なことに映画は完成し、そかも非常に高い評価を得たのでした。しかし、コッポラは莫大な借金を抱え、心身共に疲労困憊状態となります。ルーカスは、この映画にはクレジットすらされていません。

「スターウォーズ」の企画を守ったルーカスは、脚本を持って各スタジオに出資を頼みに行きましたが、当時SF映画はヒットしないという理由で、どのスタジオも映画化に否定的でした。ルーカスは落ち込みましたが、めげずに脚本をさらに改良して行きました。そんななか、ひとりのスタジオ・エクゼクティブがこの脚本に興味を持ちます。当時20世紀フォックスにいたアラン・ラッド・jr.です。ラッドは、「スターウォーズ」製作に全面的に協力します。

20世紀フォックスが映画制作にGOサインを出したので、ルーカスは映画作りに入ります。当時SF映画などというものはチープな娯楽映画で、まともな映画ができるとは思われませんでした。しかしルーカスは、自分のビジョンを実態化するため、邁進します。まず撮影前に特殊撮影と音響会社を作ってしまいます。特殊撮影用の会社は、ILM (Industrial Light and Magic) です。この工房で、リアルな宇宙戦争の映像を作り出すことに成功します。SF映画にはダイナミックな音響が必要です。そしてルーカスは音響専門の会社、スプロケットシステム(後のスカイウォーカーサウンド12)を作り、音響に関する研究もはじめました。

映画制作費は、当初の予定を超えてしまいます。ルーカスは、自分の監督料を返上し、そのかわり映画がヒットしたら利益の40%と関連グッズの商品化権を貰います。ラッドを除く20世紀フォックスの役員は、「スターウォーズ」がヒットしないと予測し、製作途中で撤退をする方針でした。しかし、ラッドだけがこの企画を推進し、最後まで出資を支持します。フォックスは、どうせ当たらない映画なのだから成功報酬とMD権を若い我が侭監督に渡してしまうのです。
映画はさらに予算が超過し、ラッドが、かばいきれなくなった頃、ようやく完成します。ラッドはこのことが原因で20世紀フォックを解雇されてしまいました。

ルーカスは、「スターウォーズ」製作中に精神的な疲労をしてしまい、心身ともにボロボロになっていました。さらに映画がヒットするという関係者も少なく、映画公開時にはハワイに逃げてしまいます。少しでも早くハリウッドから逃げたかったのでしょう。しかし、そんなルーカスに信じられないニュースが届いたのです。「スターウォーズ」の大ヒットです。ルーカスは一夜にして映画史に残る大監督になったのです。そしてアカデミー賞を7部門も受賞していまいました。

その当時、ルーカスは、偶然ハワイに来ていたスティーブン・スピルバーグと出会います。そこで新しい企画が生まれます。そう、「インディ・ジョーンズ」です。
ルーカスは、この後、「スターウォーズ」3部作と「インディ・ジョーンズ」3部作を製作します。「スターウォーズ」の監督経験から、ルーカスは自分は監督に向いていないと判断し、プロデュース業に徹します。これが功を奏し、どの映画も大ヒットして行きます。

第3回は、映画制作者として大成功し、大金を手にしたジョージ・ルーカスのその後の人生を追いかけます。

ジョージ・ルーカス 1/3
ジョージ・ルーカス 3/3

George Lucas Rewrite 2008/07/12

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コメント 19

Kimball

「アメリカン・グラフィティ」、それがそれ(ルーカスさんの作品)と
知らずに劇場でみた記憶があります。

はは、パトカーを「いたずら」?で破壊するシーンしか
覚えていませんが...\(^o^)/

そうそう、NHKが「スピルバークとルーカス」(逆かも)という
メイキング特集をやっていましたね...もう20年ほどまえに
なるのかな?...
録画したVHSをいまでも持っています。

インディ・ジョーンズ「最後の聖戦」のMakingなんかが
紹介されていて、そこで、銃声とかの効果音はすべて
ILMの音声技術者一人で作るのをしってとっても
驚いた覚えがあります。
そもそも、みんなアフレコだったということを
初めて知ったというか...\(^o^)/

この間のTVでの再放送でもそのことを思い出しながら
感慨深く観てました。\(^o^)/
by Kimball (2008-07-12 16:48) 

SilverMac

二代巨匠の関係、面白く読みました。
by SilverMac (2008-07-12 18:20) 

わかまろ

楽しく読ませていただきました(=´∇`=)
by わかまろ (2008-07-12 22:03) 

たいちさん

「ルーカス」が。コッポラ、ラッド、スピルバーグと出会っていくのは、映画のようなストーリーですね。次回も楽しみにしています。
by たいちさん (2008-07-12 22:56) 

DSilberling

Kimballさん、こんにちは。
音声は、スカイウォーカーサウンドが作っています。
ILMは、CGですね。今回も同じチームで作っていますよ。
by DSilberling (2008-07-13 22:58) 

DSilberling

SilverMacさん、こんにちは。
次回もお楽しみに!

by DSilberling (2008-07-13 22:58) 

DSilberling

わかまろさん、こんにちは。
次回をお楽しみに!
by DSilberling (2008-07-13 22:59) 

DSilberling

たいちさん、こんにちは。
本当にドラマのようです。次回をお楽しみに!
by DSilberling (2008-07-13 23:00) 

non_0101

こんにちは。今回の波乱な人生もすごいですね~
「地獄の黙示録」の回を読んでいなかったので、企画がルーカスだったというのを初めて知りました!恩師というのは時に怖いものですね…
でも、これだけ長く愛される「SW」シリーズを作り上げられてヒットしたのも、
ルーカスの持って生まれた運命なのかも知れませんね!
その後の出会いによってプロデューサー業へ転向したルーカスが
どんな活躍をしていくのか、次回も楽しみにしてます(^^)
by non_0101 (2008-07-15 12:55) 

aranjues

昨年のアカデミー賞、監督賞授賞式の
3人の姿を思い出します。
by aranjues (2008-07-16 08:42) 

mirai

「アメリカン・グラフィティ」は大好きな映画で、もちろんDVDも持っています。
ルーカスの苦労も、ヒットで報われるんですね。
それにしても、インディはハンソロを起用して、低予算でしたね。

by mirai (2008-07-20 00:15) 

sheri

先日はご訪問&niceありがとうございました。
映画の監督さんや俳優さんやらのこういう話、大好きなので、
とても興味深く読ませていただきました。
面白いお話、ありがとうございました。

またこれからも遊びにきますね。
by sheri (2008-07-21 12:22) 

miku

面白いですー
コッポラって...
by miku (2008-09-04 01:17) 

DSilberling

non_0101さん、こんにちは。
ルーカスは、どんどん新しいことを企画していますよ。
今後が楽しみですね。
by DSilberling (2008-09-05 08:50) 

DSilberling

aranjuesさん、こんにちは。
昨年のアカデミー賞は、名シーンでしたね。
by DSilberling (2008-09-05 08:51) 

DSilberling

miraiさん、こんにちは。
映画はヒットすると関係した人々の人生が変わります。
これがやめられない理由です。
ルーカスはどんなヒット作を次に生み出すのか楽しみです。
by DSilberling (2008-09-05 08:53) 

DSilberling

sheriさん、こんにちは。
過去ログもどうぞー。
by DSilberling (2008-09-05 08:53) 

DSilberling

mikuさん、こんにちは。
コッポラはイタリア系らしい方ですね。
by DSilberling (2008-09-05 08:54) 

kiki

こんにちは^^初めてコメントさせていただきます^^
「スターウォーズ」は素晴らしい作品で昨日のことのように思い出されます。
まさかその映画の監督のルーカスが自分で自分の才能に見切りをつけていたとは・・・
ルーカス監督作品を観れなくて残念だと長年思い暮らしていましたが理由が分かってスッキリしました^^
色々な情報を分かりやすく記されていて、楽しんで読むことが出来ました。
またお邪魔させていただきます^^
by kiki (2009-02-16 08:34) 

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