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トップガン  [アメリカ映画(80s)]


TOPGUN (1986)

懐かしい!と思う方、30代ですね。おそらく20代の方は、あまり思い入れがないでしょう。
この映画のタイトルと音楽を聴くと、30代は熱くなってしまうのです。若かりし頃を思い出すのです。

公開当時、かっこいい音楽とかっこいい飛行機、そして話題になりはじめたトム・クルーズが揃い、若者は皆映画館に足を向けました。当時のことを知る人にとってはついこの前の出来事のように鮮明に覚えているはずです。公開時、町にはMA-1を着た人々が溢れました。サントラも売れて、皆がウォークマンでケニー・ロギンスの「Danger Zoe」を聞きました。この現象は日本に限ったことではなく全世界的なブームでした。

このブームを作ったのが、「フラッシュダンス」で映画と音楽を融合したプロデューサー達でした。ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーの2人は、CM監督として活躍していたトニー・スコットを起用し、それまでにない美しい映像を重要視しました。もともと音楽に強い2人は音楽まわりも権利処理を行います。もちろんアメリカ空軍の協力を得ることに成功し、主演は「アウトサイダー」で話題だったトム・クルーズに決まりました。この映画は当時、当たる要素を全て詰め込むことに成功します。

パラマウント映画は、この映画を成功すると確信し大規模な宣伝を行います。派手な予告編とCMは、瞬く間に世界中の若者の心を掴んでいったのです。

今、見直すと、とてもシンプルなストーリーだということに気づきます。しかし、つまらないのではなく今でもとても面白く見ることができます。そして、今ではハリウッドの王道になったストーリー構成もしっかりしています。要は普遍性を持ったテーマをわかりやすく描きつつ」、若者が好きな要素を適合させていったのでしょう。主人公マーベリックの正義感と無鉄砲さはオープニングシークエンスで十分に理解できますし、その後の恋愛もとても気持ちがよいです。

映画は大ヒットしました。そして、トム・クルーズはスター街道を歩み始めます。クルーズは、二人のプロデューサーと共に「デイズ・オブ・サンダー」を制作し、これまたヒットします。その後、「デイズ・オブ・サンダー」で共演したニコール・キッドマンと結婚します。キッドマンとは、その後離婚してしまいますが、クルーズ人気は今も健在です。

ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーは、その後「バッドボーイズ」「クリムゾンタイド」「ザ・ロック」といったアクション大作をプロデュースします。いずれも大ヒットし、有名プロデューサーの仲間入りをしますが、ドン・シンプソンは「ザ・ロック」製作中に他界してしまいました。ブラッカイマーは、その後ひとりで「アルマゲドン」「タイタンを忘れない」「ブラック・ホーク・ダウン」などをプロデュースし、現在ハリウッドで最も力のあるプロデューサーのひとりとなりました。

監督のトニー・スコットは、ブラッカイマーと組み「デイズ・オブ・サンダー」「クリムゾン・タイド」を演出しました。最近は、兄のリドリー・スコットと作った映画製作会社スコット・フリー・プロダクションで精力的に映画制作を行っています。

映画「トップガン」に大ヒットにより、当時おおくの若者が人生に影響を受けましたが、制作した人々もその後の人生が変わる程影響を受けているのです。

公開からはや20年が経ってしまいました。これを機に映画館ではデジタルリマスター版が上映され20周年特別版DVDが発売されます。いまだに人気の衰えない作品です。

<追記 2005/09/16>
東劇のスクリーンで20年ぶりに「トップガン」を見てきました。今見ると驚くことがいくつかありました。まず脚本が非常に良く出来ていることを発見したのです。シンプルなストーリーだと思っていたのですが、映画には葛藤や仕事に対する気持ち、友情など今見ても新鮮な要素が沢山詰まっていました。これには驚きました。次に飛行機の映像です。当時はCGなどなかった時代ですから、基本的には実際の飛行機を撮影しています。これがリアリティがあり興奮しました。CGだとなんでもできるのでどうしても演出しすぎる傾向にあります。しかし「トップガン」はありえない飛行シーンはひとつもなくじつに現実味を帯びて描かれているのです。最近ヒットしなくなったハリウッドアクション映画の欠点が浮き彫りになる貴重な体験となりました。

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コメント 10

クリス

なるほど~。いつもわかり易い・且つ興味のある解説をありがとうございます☆私も、これを小学生の頃に観て以来、トム・クルーズファンです。というか、彼がどんな奇行を犯しても(最近の)、やっぱり嫌いになれないでいます。
今観ても楽しめますよね。それもこれも、音楽やファッション、格好いい飛行機シーンのおかげですね~。
by クリス (2005-09-12 21:27) 

DSilberling

そうですね。今でも十分楽しめる映画なんです。凄いことです。今度出るDVDは、未公開シーンがあるそうです。楽しみですね。
by DSilberling (2005-09-12 23:20) 

vivian

トムクルーズ・・・大好きです。やはり、良い男は、ずっと良い男なんでしょうね。例え、過去に何があろうとも関係ないです。 今が最高で素敵であれば(^^)
by vivian (2005-09-12 23:44) 

jedioki

今度出るDVD、映像はスクイーズ化されて緻密になり、音声は6.1ch化されて空中戦の迫力も倍増してます。特典も貴重な映像ばかりで、見応えがあるディスクになってました。待ちきれずにUS盤を買いましたが、うーん、日本版でも買い直そうかな・・・。
by jedioki (2005-09-13 01:48) 

DSilberling

公開から時間が経っているのに、話題がつきませんね。歴史に残る映画です。
by DSilberling (2005-09-13 08:44) 

kazura

いつも、ありがとうございます♪

楽しく拝見させてもらってます
これからもよろしくお願いします
kazura
by kazura (2005-09-19 08:35) 

クロロ

15年くらい前に東京大丸で「ハリウッド特撮映画展」みたいなのがありまして、
「BTTF」のデロリアンや、100年前のドクからの手紙などがあるというので見に行ったことがあります
その時に「トップガン」の戦闘機の模型もありまして、「ええっ!どこに使われたんだろう?」とビックリしました…それは多分終盤の打ち落とされるミグだったのでしょう…(笑)←でなきゃマズイですよね
「トップガン」、リバイバルされているんですか?…羨ましいです
ストーリもですが、どの画面も素敵で、いい構図で、好きな一本です
あんな風に合唱されてみたいものです (笑)
※「未公開シーン」ですか…映画会社はこうやって、コレクションを増やさせるんですね(^_^;)ふぅ~
by クロロ (2005-09-20 17:40) 

DSilberling

クロロさん、こんにちは。「トップガン」には確かに模型が使われています。でもCGは使われていません。実写と模型で作られた映画の方が面白いですね。スターウォーズもep4-6のオリジナルが好きです。
by DSilberling (2005-09-20 19:22) 

クロロ

「4-6」…そうですね、オリジナルにはチープさなりに工夫や情熱や、
若さが伝わってきていたように思います
(もちろん“チープ”といっても邦画から見れば桁違いの予算を使っていたのでしょうけれど(笑)
  …何故か私、たま~にイウォークの歌が聞きたくなります (^_^;)
こうもCGが増えているとなると、美術の職人さんたちはどうなってしまうのだろう? と、ちょっと心配になってきます
by クロロ (2005-09-21 11:45) 

DSilberling

ILMでは、特殊効果部門が縮小されCG部門が拡張されています。なんとかアナログ手法を残してほしいものです。CGはリアリティの面で盛り上がれませんね。
by DSilberling (2005-09-21 15:36) 

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