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インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 [アメリカ映画(80s)]


Indiana Jones and the Last Crusade (1989)

「魔宮の伝説」から5年の歳月をかけて完成したシリーズ完結編です。当初、映画はシリーズが進む毎に設定が古くなっていくといわれていました。実際「レイダース」の設定は1936、「魔宮の伝説」は1935年です。よって、「最後の聖戦」の時代設定は1930年代前半の予定でした。しかし、いっこうに素晴らしい脚本が完成しなかったため、この時代設定は忘れ去ることになりました。結果、設定はインディの少年時代から始まり、メインストーリーは1938年となりました。舞台はイタリア(ベニス)とザルツブルグ、ドイツ(ベルリン)で、第2次大戦の影響が色濃いストーリーです。

この映画で語らなければならないいくつかのエピソードがあります。

まず、インディの父親が登場することです。これまで謎だったインディと父親の関係が浮き彫りになります。前2作品はインディとパートナーとなる女性の恋愛がサイドテーマとして存在しましたが、本作では父親と息子の関係がサイドテーマとして語られます。007シリーズを目指して製作が開始されたインディ・シリーズとしては、ちょっと異質なのですが、ルーカス=スピルバーグは粋なことをしてくれました。父親役にショーン・コネリーをキャスティングしたのです。ご存知の取りコネリーは初代ジェームス・ボンド、そう007なのです。映画「インディ・ジョーンズ」は映画「007」の息子なのです。

つぎに、少年時代のインディを描くことで、今まで知られていなかった事実関係が明らかになります。例えば、なぜインディが蛇嫌いなのか、なぜあんな格好の服をきているのか、なぜあごに傷があるのか....。この少年時代のインディを演じているのが、伝説の俳優リバー・フェニックスです。彼は当時から絶大な人気を誇っており、興行に相当貢献したと言われていますが、演技も見事で、インディらしい少年を活き活きと演じています。彼は93年にキアヌ・リーヴスが経営していたLAのクラブ、Vaiper Roomで死去しています。

映画自体は、ルーカス独特のストーリーラインが復活、そしてスピルバーグの抑えた演出が冴えています。私が個人的に好きなのは、インディの少年時代から大人の時代に乗り変わる演出です。日本ならリバー・フェニックスの演技をもっとだらだらと見せるでしょう。しかし、本作ではパンチ一発で時代を転換させています。そして観客は一気に1938年のストーリーにのめり込んで行くのです。

この作品以降、シリーズは中断し、15年近くが経過しています。2005年現在、パート4の製作が発表されていますが、ハリソン・フォードの年齢の問題や、ストーリをどう練るのかといった課題があり、実現化は難しそうです。


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クロロ

先行オールナイトで見たのを思い出しました
キャストの名前が出たときに、ハリソン・フォードよりも、
リバー・フェニックスへの歓声が大きくて、
「若いファンが出てきたのか…」と、“年月”を感じました (笑)
リバーは、ウチの小僧が生まれた翌月に亡くなったのを覚えています
それがキアヌが経営していた店でだったとは!
DSilberling さんのブログは大変興味深いです
by クロロ (2005-06-22 11:20) 

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