ジョージ・ルーカス 1/3 [スタッフ&キャスト]
今回は、私の好きな監督&プロデューサーのジョージ・ルーカスについてです。今までも、スカイウォーカーサウンド、スターウォーズ、インディ・ジョーンズ、スピルバーグなど涸れに関したトピックを書いてきているので今更記す必要もないような気もしますが、彼の人生を縦に見ていくことにしましょう。彼の作品作りのヒントが見えてくるかもしれません。
ジョージ・ルーカスは、1944年にカリフォルニア州。モデストで生まれました。この町はサンフランシスコまで車で2時間ほどのところにある田舎町です。実家は雑貨店を営んでいたようです。両親は、彼が生まれてしばらくすると、この雑貨店を売り、それを資金にしてクルミの農園を始めました。彼は高校までこの町で過ごし、映画と車に夢中になりました。確かにアメリカの田舎に住むと、若者の遊びといえば車と映画です。
ルーカスは、後にこの自分の体験を映画「アメリカン・グラフィティ」で克明に描きます。
ルーカスは、映画と言うよりむしろ車に興味があったようです。彼は車を改造したりしてレースに熱中していました。しかし、高校卒業直前に大事故を起こしてしまいます。この事故は新聞でも取り上げられるほど大きなもので、ルーカスは命はとりとめますが、けがをしてしまいました。
カーレーサーの夢を絶たれたルーカスは、地元のコミュニティー・カレッジに入学し、映画に没頭していきました。この大学で、彼は様々な映画オタクに出会うのです。そこで映画撮影に関する実験的な映画を作ったり、サンフランシスコに出てジャズを聴いたり専門書を読んだりして過ごしました。
そして、ルーカスは、南カリフォルニア大学(USC)に転校します。USCは、当時映画を勉強するための映画学科を創設していた先進的な学校でした。ルーカスは、ここで映画の撮影技法を学びます。それはコミュニティー・カレッジ時代に行った経験をさらに磨くことになりました。彼は、色、動き、スペースなど撮影に関わる理論を習得し、さらにシネマティック・モンタージュという新しい映画の製作技法に傾倒していきました。
大学を卒業すると、ルーカスはアメリカ空軍の士官になるべく志願します。しかし彼は沢山スピード違反をしていたため入隊ができませんでした。そこでUSCの大学院に進み、短編を作ります。これが「電子的迷宮THX 1138 4EB」です。そして1968年のフィルム・フェスティバルで優秀賞を受賞してしまいます。ルーカスはワーナー・ブラザースの奨学生として、フランシス・フォード・コッポラの新作「フィニアンの虹」の撮影現場での研修が認められました。コッポラはルーカスを気に入り、コッポラの作ったゾエトロープ・スタジオで「電子的迷宮THX 1138 4EB」のリメイクでありメジャー・デビュー作「THX 1138」の監督を任されることになりました。
こうして、ルーカスは、自分の望む道を絶たれるごとに、後で成功する道が開いてきました。もし、高校卒業直前に事故を起こしていなかったら、彼はレーサーの道を歩んでいたでしょう。もしコミュニティー・カレッジで、映画オタクと暮らしていただけだったら、きっと今頃はモデストの町で雑貨屋さんでも経営していたでしょう。もしアメリカ空軍に入隊していたら、どこかの戦地で命を落としていたかもしれません。
誰の力でもなく、ルーカスは映画監督になったのです。勿論本人の何にしても熱中するという性格がこの結果を生んでいるのですが、人生とはなんと不思議なものか、と思ってしまいます。
次回は映画監督した若きジョージ・ルーカスが、葛藤し成長していく時代について記そうと思います。
ジョージ・ルーカス 2/3
ジョージ・ルーカス 3/3
George Lucas Rewrite 2008/07/06
<ジョージ・ルーカスの作品を購入>
THX-1138 特別版
アメリカン・グラフィティ
スター・ウォーズ コンプリート・パック
スター・ウォーズ トリロジー (エピソード4,5,6)リミテッド・エディション
スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス
スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃
スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐
アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ コンプリートDVD
「アメリカン・グラフィティ」は、ルーカスの青春だったんですね。小さな町で、高校生の若者たちが、公道でカーレースをしていたあの姿がルーカスなんですね。
人生は、自分で選ぶの+チャンスと思っていたけれど、ルーカスのように運命づけられている人もいるんですね。
DSilverlingさんの人生は、どうなんでしょう?
by TaekoLovesParis (2008-07-06 21:15)
「電子的迷宮 THX1138 4EB」は、「スター・ウォーズ 新たなる希望」日本語吹替え版と同時上映で、1982年の5月に劇場公開されましたよね。両者のテイストのあまりの違いに戸惑ってしまった記憶があります。
by jedioki (2008-07-06 23:35)
ルーカスの生い立ちが分かると、作品の理解度も深まると思いますね。
つづきを期待しています。
by たいちさん (2008-07-07 11:12)
はじめまして!
先日、本屋で「スターウォーズ」の本が売ってました。その表紙には、若かりし頃のジョージルーカスとアナキン・スカイウォーカー役のマーク・ハミルが並んでいるものでした。・・・てか、ジョージルーカスすげーかっこいい!役者よりかっこいいんじゃないの!?と思いました。ひげ面だったけど。
by take (2008-07-07 21:47)
Taekoさん、こんにちは。
そうですね。ルーカスはもしかしたら何をやっていても成功していたかもしれませんね。
私はまだ自分の人生を振り返ることはできませんねえ(笑)。
by DSilberling (2008-07-07 21:49)
jediokiさん、こんにちは。
ですねえ。あれはちょっと実験的すぎました。
でも今では好きな映画です。
by DSilberling (2008-07-07 21:49)
たいちさん、こんにちは。
次回お楽しみに!
by DSilberling (2008-07-07 21:50)
takeさん、こんにちは。
私が初めて知ったルーカスは、その頃の姿でした。
だから最近の姿には驚かされます。
何度もサンフランシスコのハンバーガーやさんで見かけると、ああなるのも分かる気がします。
by DSilberling (2008-07-07 21:51)
はじめまして!
ご訪問ありがとうございました。
インディ・ジョーンズもちょうど最近みたのでルーカスさんの記事楽しく読ませていただきました。
人はどんな才能をもっているかわからないけれど、今あることに没頭してこそ、道が開かれるのですね。まさに『偶有性の海に飛び込め』ですよね。
by ezomomonga (2008-07-07 22:34)
こんばんは。
ジョージ・ルーカスがそんなにスピード狂だとは知らなかったです(笑)
でも、それがきっかけでこんなに凄い人生を歩むようになるとは…
人間、どんな時でも前に進んでいくことが大切ですね。
次回も楽しみに待っています☆
by non_0101 (2008-07-08 00:21)
ezomomonga さん、こんにちは。
私は、手を抜かないで一生懸命仕事をする人が好きです。ルーカスは私にとって鏡のような人です。
by DSilberling (2008-07-09 00:28)
non_0101 さん、こんにちは。
次回もお楽しみに!
by DSilberling (2008-07-09 00:32)
ルーカスは車狂いだったんですね。
アメリカングラフィティで、たくさんの車が集まったのは、彼の趣味が高じてかなって思います。
by mirai (2008-07-21 01:21)
miraiさん、こんにちは。
ルーカスは車大好きです。「タッカー」という車の映画も作っていますね。そして彼の映画には常にチェースシーンがあります。
今でも彼は自分の車を運転してオフィスに通っているんですよ。
by DSilberling (2008-08-30 15:55)