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マット・デイモン [スタッフ&キャスト]


マッド・デイモン

今回は、謙虚で親しみやすい性格で友人が多いハリウッド・スターを紹介します。

マット・デイモンは、1970年、マサチューセッツ生まれ。父親は大学教授、母親は投資銀行家でした。しかし彼が2才の時両親が離婚し、その後は母親とコミューンで育ちました。ベン・アフレックと出会ったのは、デイモンが10才の時です。二人はリトルリーグで知り合い、その後は常に一緒でした。以降、アフレックとは親友として仕事でもプライベートでも協力し合って生きています。

デイモンは成績優秀でしたが、親友のアフレックは子役としてテレビシリーズに出演していた関係もあり、アフレックに影響されながら勉強と演技の二つに興味を持ち成長したようです。18才の時にはベン・アフレックと一緒にオーディションを受けました。このオーディションで役を得たのはアフレックではなくデイモンでした。「ミスティック・ピザ」(1988)はデイモンのデビュー作となります。当時、この作品の主人公ジュリア・ロバーツと14年後に共演するなど夢にも思わなかったことでしょう。

デイモンは、俳優業を続けながらハーバード大学に入学しますが、あと12単位で卒業なのに仕事に専念するため中退してしまいます。

22才で「青春の輝き」(1992)が公開。主演はブレンダン・フレイザーで、この作品には後で有名になるクリス・オドネルや親友のベン・アフレックも出演していました。ここで共演した若い俳優達はプライベートでも付き合うようになり、親交は今でも続いています。

デイモンとアフレックは、二人で役者を目指し、いくつかの仕事にありつけましたが、なかなか芽が出ませんでした。二人は「フィールド オブ ドリームス」(1989)などおおくの映画にエキストラ出演したりしています。

1993年、「ジェロニモ」に出演するチャンスを得たデイモンは、共演のロバート・デュバルから俳優の本質を学びます。しかし映画はヒットしませんでした。1995年には「クイック アンド デッド」で主役を演じるはずでしたが、レオナルド・ディカプリオが役を得てしまうという不幸が起こります。その後も彼の不遇は続きますが、デイモンは諦めることなく俳優としての目標に向かって努力していきます。

3年後の「戦火の勇気」では、役作りのためダイエットをしすぎて医師の管理下に置かれるほど仕事に集中してしまいました。映画は大ヒットとはいきませんでしたが、脇役ながらデイモンは初めて世間から注目を集めることに成功しました。地味な役だったのですが、苦悩する若い兵士をしっかりと演じることで人々の心を掴んだのでしょう。

デイモンはだんだんと演技のできる若手俳優として認知されてきました。しかし、その後選んだのは「グローリー・デイズ」「チェイシング・エイミー」といった中規模作品でした。これは親友のベン・アフレックが出演していたからです。彼は自分のキャリアよりも友人を優先する性格のようです。

そんな人柄ですが、「戦火の勇気」を見た有名監督からのオファーが舞い込みます。フランシス・フォード・コッポラが「レインメーカー」の主演に抜擢したのです。大手法律事務所と闘う若手弁護士という役は、デイモンには適役で彼は南部訛りをマスターし、しっかりとした演技のできる俳優という認知を得ることに成功しました。

そして、遂に彼の人生にとって大きな転機が訪れます。仕事に恵まれなかった彼は、自ら脚本を執筆して自分で書いた脚本を映画化したいと考えたのでした。デイモンは、親友のベン・アフレックと共同でじっくりと時間をかけ、低予算でも観客が感動できる脚本を完成させました。舞台は二人の故郷マサチューセッツ州ケンブリッジ。若き数学の天才を描くドラマでした。この企画を完成させ、二人は映画スタジオを回ります。タイトルは「グッド・ウィル・ハンティング」。しかし企画はなかなか通りませんでした。そこで二人は、出演者に有名人の起用を考えます。粘り強い交渉の結果ロビン・ウィリアムスが協力を約束します。遂に映画は無事製作され、公開されました。そして予想外のヒット作となりました。一見地味な映画なのですが、観客からの評判がとても良かったようです。結果、ゴールデングローブ賞では脚本賞を受賞してしまいます。二人は俳優としてではなく脚本家として映画界に認められてしまいました。さらに、その年のアカデミー賞でも脚本賞を受賞してしまいました。きっと一番驚いたのは本人達だったのではないでしょうか。ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞でスピーチしたデイモンとベンは、とても初々しく好感度がアップします。そして瞬く間に名前が売れていきました。

デイモンは、受賞直後スピルバーグから声をかけられます。そしてスピルバーグ映画に役者としてキャスティングされました。「プライベート・ライアン」では、ライアン役をGetしたのです。役として出番はそれほどおおくありませんでしたが、デイモンは現場でスピルバーグの邪魔にならないよう彼にくっついて映画を勉強しました。デイモンは「世界一の映画学校に特別入学できた気分」だと後に語っています。

その後は、ケヴィン・スミスの「ドグマ」に出演。「リプリー」(1999)では体重を13キロ落として殺人犯を演じました。2000年には「バガー・ヴァンスの伝説」(2000)ではロバート・レッドフォード監督、「すべての美しい馬」ではビリー・ボブ・ソーントン監督と仕事をする機会に恵まれました。

デイモンが出演した作品はヒットしたり話題になりましたが、「俳優マット・デイモン」が評価されることはありませんでした。デイモンは脚本家として地位を得たものの、俳優としては相変わらず不遇の時代が続いたのです。

2001年に入ると、デイモンはベンとプロデュース業に進出します。脚本コンテスト「プロジェクト・グリーンライト」を開催します。自分たちが苦労した経験のある脚本開発を支援するプロジェクトで、このコンテストはテレビ放送されました。二人は積極的に若手脚本家を支援して最終的に残った優秀作品は映画化されました(残念ながらヒットしませんでした)。

「オーシャンズ11」では、ジョージ・クルーニーと共演、この作品でクルーニーや監督のスティーブン・ソダーバーグと意気投合します。

2002年には、「ボーン・アイデンティティー」の主役にキャスティングされました。しかし現場は荒れていました。制作費は足らず、監督は制作会社と衝突してしまいます。しかし、デイモンは辛抱強く演技に集中しま。結局公開が遅れたのにも関わらず、映画は世界中で大ヒットしました。この映画がきっかけで、デイモンはハリウッド俳優という地位をやっと得ることに成功します。そしてこの作品はシリーズ化されました。

「ボーン・アイデンティティー」の成功で、さらに大作への出演をするかと思われた矢先、デイモンはインディーズ映画に出演します。友人のジョージ・クルーニーが監督した「コンフェッション」で仕事をしたのです。やはり自分のキャリアよりも友人を大切にするデイモンでした。
続く「ジェリー」では、脚本と編集も担当します。この作品は「グッド・ウィル・ハンティング」と同じ座組で制作されました。監督はガズ・ヴァン・サント、主演は約束通りベン・アフレックです。デイモンは脇役でした。デイモンとアフレックは、お互いの作品にカメオ出演したりしていますが、二人が自分たちで企画した作品は、交互に主演することを約束しているそうです。

2004年には、シリーズ続編の出演が続きました。「ボーン・アイデンティティー」の続編「ボーン・スプレマシー」、そして「オーシャンズ11」の続編「オーシャンズ12」です。彼は安易に作られる続編を嫌い、自分で納得のいく作品への出演にこだわっていたようですが、「オーシャンズ12」は、やはり友情の比率の方が高かったのではないでしょうか。

デイモンは、長い役者人生において、様々な対極を経験してきました。俳優としての挫折と成功、自分のキャリアと友人とのメリットのない仕事、俳優と脚本家、出演者と製作者.....。でも、彼はそのすべてを楽しんでいるようです。そして、対極のどちらでもやる意味を見いだしています。

今後の彼のキャリアはどうなっているのでしょう。友人との仕事でいうとジョージ・クルーニーと一緒にいくつかのプロジェクトが進行しています。その中には「オーシャンズ13」(2007年公開予定)も含まれています。「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」に続く「The Bourne Ultimatum」 (2007年公開予定)などもあります。「スタートレック」の新作にも出演するようです。そしてプロデュース作品も控えています。

役に恵まれなかった彼は、自ら脚本を執筆して出演し映画史に名を残しました。
「グッド・ウィル・ハンティング」以来庶民的でハンサムではないが好感を持ってきた彼は、やっと役者として地位を得ることに成功しました。
今後のデイモンはハリウッドの台風の目になる可能性が高いですね。

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coco030705

こんばんは。
マット・デイモンは、「グッド・ウィル・ハンティング」「ボーン・アイデンティティー」
「オーシャンズ11」が良かったと思います。オーシャンズのときはたくさんのすばらしい俳優たちのなかで、地味かとおもったんですが、どうしてどうして、非常に存在感がありましたね。いい俳優だと思います。今後俳優としての活躍が楽しみです。
by coco030705 (2006-09-30 22:10) 

DSilberling

cocoさん、こんにちは。
かっこよくはないのですが、息の長い俳優になりそうですね。
新作も沢山公開予定です。今後の成長が楽しみな役者さんです。
by DSilberling (2006-09-30 23:38) 

マッド・デイモンは、存在感がありますね。
「オーシャンズ11」での印象が強く残っています。
いろいろなことも今回知り、これからの活躍を期待します。
by (2006-10-01 08:44) 

DSilberling

「オーシャンズ11」でのデイモンは、良かったですよね。
彼には、さらに大きな仕事が出てくる予感がします。
by DSilberling (2006-10-01 09:23) 

TaekoLovesParis

マット・デイモンは「戦火の勇気」でとても気になりました。知り合いに顔の似ている人がいたので。。(日本人にもいそうな顔立ち) 
その後、「グッドウィルハンティング」で主演だけでなく脚本もときいて驚きましたが、ハーバード出身ときいてうなづけました。抽象数学は芸術的な感性がないと解けないので、あり得ない話ではないんですよね。(私、数学科卒なので)以来彼のファンで映画はほとんど見ているつもり、、、この間の「シリアナ」でもいい役でしたね。
そう、ケンブリッジ出身なんですよね。この夏もケンブリッジで「俳優で誰が
好き?」ときかれ、シリアナを見た直後だったので、マット・デイモンと答えたら、「彼はここの出身よ!」とすごく喜ばれ、キアヌとかジョニーディップって言わなくて正解だったと思ったのでした。
Silbelingさん、こんなにくわしい情報をありがとうございます。お書きになるのも大変だったでしょう。
by TaekoLovesParis (2006-10-01 13:02) 

DSilberling

Taekoさん、こんにちは。
デイモンは、あんな顔なのにインテリなんですね(笑)。
ここに書いている文は、基本的に自分の知識だけで書いています。
時にIMDBで年号やスペルをチェックしています。だから、それほど大変ではないんです。
by DSilberling (2006-10-01 18:20) 

ラブ

マッド・デイモンって、もうちょっと癖のある人かと
思いました。
癖のある役ばかりやるので、イメージとぜんぜん
違いました。勉強に、なりました。
by ラブ (2006-10-02 10:43) 

naonao

マッド・デイモン、本当に顔はいまいちですが、インテリで、これからも着実に花開かせる役者になりそうですね。
俳優だけでなく、脚本家でもあるなんて多才!!
ボーンスプレマシーの続編(完結編)は楽しみです。
オーシャンズ13は12がちょっと・・と思ったので期待してませんが。
DSilberling さんの情報、いつも勉強になります。
by naonao (2006-10-02 14:46) 

DSilberling

ラブさん、こんにちは。
そうですか、癖のある人に見えましたか。私は本人と会ったことがありますが、とてもいい方でしたでしたよ。
by DSilberling (2006-10-02 17:27) 

DSilberling

naonaoさん、こんにちは。
デイモンは賢いので、役者よりプロデューサー業のほうがきっと向いていると思います。
俳優はある程度我が儘のほうが成功するんですよ。
by DSilberling (2006-10-02 17:28) 

かおり

DSilberlingさん、こんにちは♪
2日ほど留守をしている間にこの記事を見逃していました
マット・デイモン、好きです。
出会ったのは「グッドウィル・ハンティング」
まだ新人だと思っていました(笑)
キャリアはあるんですね~!ほんとにココは勉強になります^^
派手さはありませんが見ていて安心感のある俳優さんですね。
「レインメーカー」も好きですよ
先日、たくさん借りてきてDSilberlingさんにクスリ!と笑われたラインナップにも
マット・デイモンが主演していましたね?「ブラザーズ・グリム」^^
珍しい役柄でしたが、けっこう面白かったです。
”とてもいい人”そんな感じがにじみ出てますよね(笑)
ハリウッドスターと出会えるなんてウラヤマシイですね!
by かおり (2006-10-08 15:32) 

kenta-ok

マット・デイモンは、人あたりが良さそうな感じがいいです。フィールド・オブ・ドリームスに出ているなんて。
by kenta-ok (2006-10-08 20:59) 

DSilberling

青い花さん、こんにちは。マット・デイモン、今後もがんばってほしいですね。
by DSilberling (2006-10-08 22:21) 

DSilberling

kenta-okさん、こんにちは。アメリカの俳優は誰もが下積み時代を経験しています。これがあるから演技が素晴らしいんですね。日本も底の厚い役者層ができるといいのですが・・・・
by DSilberling (2006-10-08 22:25) 

サダー

マットデイモンにも非常に注目しております。
ボーンアイデンティティーシリーズでのデイモンはかっこいいですよね。
またアクションヒーロー然としていない自然な感じがリアルに思えていいっす!
オーシャンズ12(のオチ役)もいいキャラでした。

そうだ。このあいだBSでやってたのは何だろう。
なんか親友と命がけで金を奪い合うハナシでしたが。
by サダー (2006-10-10 02:14) 

ノリ

はじめまして。古い記事にコメント失礼します。
とても素敵なブログにめぐりあえて感激しています。
読者にさせてください!
マット・ディモンは私にとって生活の一部になっているほど大好きな
俳優さんです。
本人に会ったことがあるなんてうらやましすぎます・・・
by ノリ (2006-12-18 13:46) 

DSilberling

ノリさん、こんにちは。
むしろ古い記事を読んでいただいてとても嬉しいです。
私のブログは、即時性を重要視していませんので、古い記事も是非読んでください。
時々修正などもしています。

今後も宜しくお願いします。
by DSilberling (2006-12-18 22:40) 

ホーギー

はじめまして、ホーギーと言います。
私がはじめてマット・デイモンを見たのは、「グッド・ウィル・ハンティング」でした。以来この作品と彼のファンになりました。あれだけの脚本を製作する才能があるのですから、凄いですよね。そして、諦めない彼に心を打たれます。
それから、「ボーン」シリーズでますます、ファンになり、今では彼の出演する作品はチェックするようになりました。
ところで「フィールド オブ ドリームス」にアフレックと一緒に出ていたとは初めて知りました。
ということで、これからもどうぞよろしくお願いします。
by ホーギー (2008-07-31 21:00) 

DSilberling

ホーギーさん、こんにちは。
古い記事にアクセスしてくださり嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
by DSilberling (2008-08-30 15:48) 

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